駐在彼も、さようなら。
ヨーロッパ彼の気持ちが理解できない。
彼のワガママ、気分、リクエストに応えられない。
そう思い始めた私は同時に駐在彼との約束を断ることにした。
好きだよ、と言ってくれた駐在彼。
私も好きだし、また会いたいと返事し、一時帰国に合わせた月末の土曜日に会う約束をした。
そのあとから、メッセージは減った。
私を手に入れた手ごたえなのか
仕事が忙しかったのか
また他のことがあったのかわからない。
でも、なんとなく彼がウソをついている、言わないで済ませている何かがあるような気がした。
彼の一時帰国はもう1週間早いと聞いていた。
そう、駐在彼は既に日本にいる。
それを言わないようにしているように感じた。
彼の意図はわからない。
だから次に会うまで聞かないでおこうと思った。
また、待てない女になりたくなかったから。
でも前日と今日のヨーロッパ彼とのやりとりから、駐在彼も私には必要の無い存在に思えてきたんだ。
また駐在彼も、私を必要としていない気がした。
案の定、彼からのリアクションは無い。
既読して、終わり。
なぜなの?という理由すら聞かれず、反論の電話もない。
彼はただ、一時帰国の時を楽しめる異性が欲しかっただけ。
わかっていたけど認めたくなかった。
どこかで真剣交際に結びつかないかと期待した。
でも真剣交際に結びつくには、彼は遠すぎる。
年下彼が私にしたように、今度は私が駐在彼に同じようなことをしている。
お別れを切り出すほうも、つらいものだ。
駐在彼は、年下彼にフラれた傷をいとも簡単に癒してくれた大切な人である。
あの宮殿の壁画、いつか見に行けるといいなあ。
美しかったなあ。