失恋は次の恋愛へのステップ
感情的に送った無機質なメッセージは送信されたまま既に5日間止まっている。
私には耐えられない空間だ。
おかげで気持ちの整理もついてきた。
イタリア人の彼の時と同じく、まだ16歳下の日本人男性のことが大好きであるという気持ちを認め、受け入れた。
また人を好きになれました。ありがとう。
今でも彼のことが大好きでたまらない。
彼からもらったひとつひとつの言葉と時間に感謝する。
この愛は必ず誰かを通して、お返しすることができます。
それ以外は、なんでもない。
連絡が無いことは事実。
連絡が無い理由は、私の中の想像でしかなく、彼の問題。
私は欲が出ていた。
また会えるに違いないと。
埋め合わせをしますという言葉に期待をしてしまった。
でも考えてみて。
私と彼に、一体何の未来があるというのか。
これから待ち受ける経験が違いすぎる。
彼にはまだ、年齢相応に必要な経験があるし、私も同じくである。
あんな知性のある物分かりの良い彼のこれからの経験を慮るなんて、たいへん失礼な話ではあるけれども、そう考えないと私の思考が止まらないんだ。
また会いたいけれど、会っても何も変わらない。
ただその時を楽しむ、そんな時間は私も彼もこれ以上望んでいない。
だからといって向き合うほどに互いに夢中になりたいわけではない。
そう言い聞かせて、思考と期待をすることを止める。
そしてただ彼を好きになれたことと、彼からもらった愛に感謝するだけ。
あの日、会うたびに思っていた「今日で最後かもしれない」というあの緊張感が無くなった。
これが怠慢の始まり。
私の上から目線の悪い癖が出始めたのかもしれない。
でも彼との出会いのおかげでまた、私の中で大切にしたいことがわかった。
失恋はつらい。
だけど次に出会える人と、次に出会える新たな自分との出会いが楽しみでもある。