駐在彼との夜(ビール編)

駅の構内手前でナンパしてきた7歳年下の南アメリカに駐在する彼は、とても人懐っこい人だった。

 

駅から近い、ビールの飲めそうなレストランに閉店時間を確認して入った。

2時までと言っていた。

レストランに着いたときには終電20分を切っていた。

この人と始発までカラオケか?

この時はそんなふうに考えていた。

 

駐在彼は最近までさらに南の国にいて、今日は日本で送別会だった。

明日から転勤先の南アメリカに戻るという商社マンで、主役だったせいか酔っ払っていた。

東京の私大、K大学卒業と言っていたかな。

少しエリート自慢をしてきたような気がした。

 

私、そういうのあまり興味なくて。

自立した女なの、と返した気がする。

シングルマザーであることも伝えたと思う。

 

酔っ払いながら何を話しただろうか。

あまり記憶が無いが、綺麗ですねと何度か褒められたような気がする。

 

終電が無くなる。

「責任持って送ってくれるなら、このまま残るよ」と約束。

 

それならお寿司を食べに行こう、と次のお店に移動することにした。