日本人男性との食事
イタリア人の彼への恋心が消失していた中に現れた日本人のナンパ男子。
ナンパの社交辞令はなく、ちゃんとお酒に誘ってくれた。
かなり年下なので、普通にバカ話でもして一晩を楽しめればいいと思っていた。
彼は期待以上の男性だった。
賢く、繊細で、知的で、優しかった。
私は自分が住んでいる場所と、フリーターであることと、過去の男性経験を少し話しただけで、素性は明かさなかった。
時々、胸がきゅっと締まる感覚が起きた。
彼に惹かれている自分に驚いた。
その反面、深入りするべからずという気持ちも忘れないようにしていた。
彼はあれこれ聞くこともなく、優しく一夜を共にしてくれた。
本当に幸せだった。
夜中から、朝まで、何度か抱いてもらえた。
一緒に眠った。
肌に触れた。
幸せすぎて泣けてきた。
またこんな時間が手に入るなんて思っていなかったから。
また連絡します、と言ってくれた。
私は、勇気あるね、と答えるしかなかった。
とてもとても幸せな夜だった。