本当の失恋
彼は繁忙期を終えて一足先に冬休みに入った。
クリスマスをどう過ごしているのかは、知らない。
一日に1回程度、挨拶メールが来る。
先週のように、君としたいよ、的なメッセージは無い。
どんどん感じる距離感。
追えない私。
どんな洗脳にもかからなかった私が、彼の魔法にはかかってしまっていた。
頭も体も、彼でいっぱいだった。
彼のようになりたかった。大好きだった。
でももう終わっていくのかもしれない。
もう少しふざけた関係を続けたかったな。
もう少し疑似恋愛したかったな。
でもそろそろ飽きてきたというか、寂しいんだ。
私は彼が好きだけれど、彼とのセッ クスが好きだけれど、彼との関係に不満足だからだ。
もっと必要としたいし、もっと必要とされたい。
彼でないことは残念だけれど、こればかりはご縁だから。
本当の失恋。