別れは近い

アパートを借りて初めての夜。

金曜日の仕事帰りの彼を

うちへ招いた。

 

リラックスして、素敵な夜だった。

でも

ひとつの行為が終わって

コンビニへ行く道中で

3時半には帰るよ、と言われた。

 

ショックだった。

一緒に朝を迎えられないことが。

 

土曜日に誰かとデートすることはわかってた。

私は彼と約束できなかったから。

でも、夜だと思ってた。

だって私との約束はいつも午後からだもの。

 

 

なのに

その子との約束は10時なんだって。

彼女は27歳でピュアだから、と。

 

 

しょせん私は不倫てことか。

私はすっかり40代だし。

 

 

なんだかすごく気分が下がった。

彼も

受け入れた私にがっかりしたようだ。

 

 

そして

コンビニで買ったビールで雑談して

帰る道中に言われた。

 

 

僕は僕だけを愛してくれる人を見つけたい。

故郷に帰りたい。

どんな未来になるか不安だけど、

帰れなくなる前に帰りたい。

 

君は娘を捨ててはいけない。

僕は君の娘を奪う権利はない。

どうか彼女と一緒にいてあげて、と。

 

 

 

なにこの展開。

私は彼女を手放す覚悟までしたのに。

あんなに愛して彼女と離れる覚悟までしたのに。

 

 

泣いたけど

泣く女の扱いなんて慣れていて

彼は自分の話を続けていた。

 

 

圧倒的に私の経験不足。

圧倒的に私が依存している。

 

 

だから恋愛は嫌いだ。

受け入れられないと断られるのが嫌いだ。

だからそんなに好きじゃない人といたほうがラクなんだ。